ヴァン・ゲルダー・スタジオのリバーブはスプリングだったようです
- 2015/03/14
- 02:05
2014年2月の記事、Victor Youngの"Delilah"に貼った動画なのですが↓1956年、ヴァン・ゲルダー・スタジオで録音された、ケニー・バレルのデビュー作。ここで用いられてるコンガには、スプリング・リバーブ特有のピチャピチャ音が乗ってる。先の記事では、ギター・アンプのスプリングが反応してしまってるのだろうと書いてしまいましたが、それは間違いでした。ついこないだ、久し振りにマイルスを聴いてたら、1954年の、これもヴァ...
バック・コーラスをレスリーに通すアイズレー兄弟
- 2015/01/16
- 05:49

私がThe Isley Brothersというグループの事を知ったのは、たしか1990年代の中頃。アイズレー・ブラザーズ -wiki音より先に、見た目の方を知った。↓これwどんだけゴッテゴテな音かと思いますよね。プロレスラーかよw。こりゃあスゴそうだぞと。そこで買ってみたのが、このジャケットもインパクトありますよね。ひたすら暑苦しく野蛮な音が詰まってるに違いない。しかし実際は、なんか「爽やか」で。キャロル・キングのカバー曲。い...
GOLDWAXによって補完されるSTAX
- 2015/01/14
- 21:29
図書館から借りたCDシリーズ、今週借りてるのはゴールドワックスのシングル集。全部でCD6枚の内の最初の2枚。一応ウィキへのリンクも;ゴールド・ワックス・レコード -wikiこのコンピCDの中で、私的に興味深かった数曲を以下に列挙。緑色の文字は、付属解説書からの引用です。まずはDisk1/Tr.16、Oboe with the Keysの"She's Better Than You"ここでギターを弾いてるのはS.クロッパーだそうです。クイントンの話しでは(中略)「...
CD"Handy Man: The Otis Blackwell Songbook"
- 2015/01/13
- 05:30
先週、図書館で「ハンディ・マン~オーティス・ブラックウェル・ソングブック」というCDを借りました。内容は;「エルヴィス・プレスリーの「恋にしびれて」「冷たくしないで」「フィーヴァー」、ジェリー・リー・ルイスの「火の玉ロック」などロックンロール黎明期に多くの名曲を提供したソングライター、オーティス・ブラックウェルの作品集。」Otis Blackwell -wikiこのCDから得られたまめちを3つほどメモ書き。まず、このCDの...
ピエール・ジョルジュ著『アメリカ合衆国の地理』
- 2015/01/01
- 20:35
地理と歴史とは一体のものである。人間の集団、相異なる複数の民族間の闘争は、たいてい、地形や水脈その他諸々の組み合わさり方の違いで生じる環境条件の違い(優劣、土地利用の有効性の好悪)によって引き起こされる。そして、歴史と呼ばれるものの中身は概ね全て、その闘争の経緯の記録なのだし、その結果として確定した集団ごとの占拠領域を示す境界線=国境の類も全て、歴史の産物なのだ云々 というような事はさて置いても、...
USポップスのコーラス
- 2014/12/13
- 02:38
ザ・ソウル・スタラーズのコーラス・スタイル、”キーワード・リフ”は、ゴスペル・カルテットの一つの完成形ではないかと思う。(wikiの説明によると"repeating words in the backgroun")R.H.ハリスがこれを作ったと言われる。(その真偽は不明だけど、仮に真だとして、)どういう経緯を経て、何からどういう影響を受けて、彼はこのコーラス・スタイルを創りを出したのだろうか?それを知るためには1930年代より以前のコーラス・ス...
中村とうよう編、オーディブック「ブラック・ゴスペル入門」
- 2014/11/27
- 21:54
今年、ソウル系についての本を5冊読みました。そのついでに、というかもうこの際だから、黒人霊歌、ゴスペル、ブルースについての本も読んでおこうと思います。なんですけど、ソウルならP.ギュラルニック 『スウィート・ソウル・ミュージック』、ブルースならP.オリヴァー『ブルースの歴史』こういう、それぞれのジャンルについての”定本”と呼べる書籍が、ソウルとブルースにはあるけど、黒人霊歌やゴスペルには無いような気がしま...
黒人霊歌とゴスペルの成立経緯を知るのに必要な予備知識
- 2014/11/25
- 17:12
黒人霊歌(スピリチュアル)とゴスペルの成立経緯を知るのに必要な予備知識、あるいはキーワード。それを思いつけるだけここに並べておきます。後日追加する可能性もあり。すべてwikiへのリンク付き。まずは基礎的過ぎる用語ですが、スピリチュアルゴスペルスピリチュアルがコンサートホールで演奏されるようになった一番最初の頃、これは"Jubilee Song"とも呼ばれた。その流れで、「ゴスペル」という呼称が定着する以前のゴスペル...
ジェリー・ウェクスラー/デヴィッド・リッツ著『私はリズム&ブルースを創った ―― 〈ソウルのゴッドファーザー〉自伝』
- 2014/09/30
- 02:21
今年、ソウル・ミュージックについての本を4冊読んだので、そのついでに5冊目もいってみました。アトランティック・レコードのプロデューサー、ジェリー・ウェクスラーの自伝、『私はリズム&ブルースを創った』です。アメリカで原著が出版されたのは1993年。日本語訳は今年、2014年5月が初版です。日本語版はまだ売り出されたばかりですので、今までの4冊のように本文の直接引用はせず、自分的にポイント高かった、後になってソー...
25年ぶりにクリフォード・ブラウンのアルバムを聴いてみた
- 2014/09/07
- 00:42
今年2月のVictor Youngの"Delilah"という記事の中で書いた事ですが、、ビクター・ヤングの「デリラ」という曲をケニー・バレルのCDで聴いて、これどこかで聴いた事あるなと思ったら、ずっと昔にアナログ盤で持ってた"Clifford Brown & Max Roach"というアルバムの収録曲だった云々。私がアナログ盤を所有してたのは25才の頃まで。今後はもうCDしか聴かないだろうと考え、コレクションのあらかたは人にあげてしまった。私は現在約50...
ドン・コヴェイ”マーシー、マーシー”でギター弾いてるのはジミヘンだという説があったらしい
- 2014/09/06
- 13:17
1965年のヒット曲、Don Covay "Mercy Mercy"このバックのギターはジミ・ヘンドリックスだという説があったらしいです。評論家の鈴木啓志氏は「95%ない」と否定してる。ドン・コヴェイはリトル・リチャードの付き人~前座だった。ジミも一時リトル・リチャードのバックをやってた。だもんでマーシーのギター=ジミ説が生じたのかな。このギター・プレイにはスタジオ・ミュージシャン的な几帳面さが無いし、その代わりちょっとした...
ネルソン・ジョージ著/林田ひめじ訳『モータウン・ミュージック』
- 2014/09/01
- 19:09
今年、ソウル・ミュージックについての本を3冊読みました(『スタックスレコード物語』『スウィート・ソウル・ミュージック』『アトランティック・レコード物語』)そのついでに、モータウンについての本も読んでみました。アメリカで原著が出版されたのは1985年。日本語訳は87年初版です。 モータウンの音楽はR&Bではないしソウルでもありません。「モータウン・ソウル」という呼称も一応ありますが、あまり一般的ではない(と...
『スウィート・ソウル・ミュージック』/『アトランティック・レコード物語』
- 2014/07/27
- 03:29
3冊のソウル本2014年6月にロブ・ボウマン著『スタックスレコード物語 SOULSVILLE U.S.A.』についての軽いまとめ的な記事を書きましたが、その後さらにもう2冊このテの本を読みました。『スタックス物語』も併せて都合3冊のソウル本。以下、『スウィート・ソウル・ミュージック』を「Sweet本」『アトランティック・レコード物語』を「Atl本」『スタックスレコード物語』を「STAX本」と略記いたします。それで、後から読んだ2冊につ...
『スタックス・レコード物語』のまとめシリーズ、今回で一旦〆。
- 2014/06/22
- 20:40
ちょっと急ぎでここまで書き進めてまいりました。私この本↑、図書館で借りて読んでて、もう返却期限が来ちゃってるんですよ。最後に雑情報的なものを拾い集めて一旦〆にします。------------------------------------------56p下段;1960年代初期の時点で、メンフィスにはすでにインスト曲の伝統らしきものが確立されていた。1957年;ビル・ジャスティス「ラウンチー」(サン)1960年;ビル・ブラック・コンボ「スモーキー」(ハ...
スタックスのグルーヴ
- 2014/06/22
- 18:35
『スタックス・レコード物語』のまとめシリーズ、その5(か6)。この本の中では「スタックスの最優先事項はグルーヴだった」という事が再三強調されてます。グルーヴしてるテイクが録れたなら、細かいミストーンなどはある程度無視された。修正されないままリリースされた、とも。144p下段;テンポとグルーヴ(の設計)で意見が合わないときは、基本的にクロッパーとアル・ジャクソンが決断を下した。148p下段;(オーティス・レ...
メンフィス・サウンド、そしてスタックスのサウンド
- 2014/06/22
- 17:33
『スタックス・レコード物語』のまとめシリーズ、その4(か5)。97p上段;「メンフィス・サウンド」というキャッチフレーズが登場したのは、1965年。6月12日付け『ビルボード』誌に「メンフィス・サウンド - 南部の視点」という記事が掲載される。メンフィスのレコード・レーベルのオーナー、ジョー・クーギーサム・フィリップススタン・ケスラージム・スチュワートへの短いインタビューあり。J.スチュワート自身が説明するスタ...
アトランティックから見たスタックス
- 2014/06/21
- 20:53
↑この本からあちこち抜書きしてみるシリーズ。今回はジェリー・ウェクスラーの目に映ったスタックスについて。ソウルミュージック史上最もざらついた声を持つシンガーの一人と評される、ウィルソン・ピケット。ウィルソン・ピケット -wiki彼は1964年にアトランティック・レコードと契約した。アトランティック・レコード -wikiそれで取り合えずNYのアトランティックのスタジオで録ってみたら、イマイチな出来であった。そこでアト...
STAXの録音環境変遷史を大まかにまとめ
- 2014/06/21
- 04:18
この本↓原著がアメリカで出版されたのは1997年。日本語版は2008年。遅まきながら私も読んでみました@2014年。ページ数は約470。なかなかの大著です。面白い事がたくさん載ってます。自分なりの「要約まとめ」を作っておきたいのだけど、分量が多くて大変。手始めに今回は、どちらかというと表層的な事柄。しかし宅録趣味的には一番の関心事でもある、STAXのスタジオとか録音機材等々について。1958年(29~30p);テネシー州メン...
ギタリスト、スティーヴ・クロッパー氏は新品弦にリップクリームを塗るという
- 2014/06/20
- 19:38
2月に書いた記事、ベーシスト、トミー・コグビル氏は指にワセリンを塗って弾くというの続編みたいな内容ですが、今回はSTAXの方の話し。↑この本のp.279からの引用です。S.クロッパーのテレキャスターはローズ指板。フロントPUは絶対に使わず、セレクタスイッチは(F+Rが無かった時期の)ミドルかトレブルのどちらか。そして 弦はギブソンのソノマティックを使い、1弦に010、2弦に011か、両弦とも011を張った。彼と同世代のギタリ...
スチール・ギター入りのジャズ
- 2014/03/11
- 06:22
音うpブログの方の記事のどこかに書いた(はず)の事なんだけど、大昔のジャズでは、時々スチール・ギターが用いられたりもしてました。その実例を。もう一つ。↑このバンドのメンバーはほぼ全員、エリントン・オーケストラの人達ですね。D.エリントン抜きのエリントン・オーケストラみたいなものです。どちらの録音も、ギターを弾いてるのはCeele Burkeという人らしい。これらの動画うp主さんの説明文に誤りがなければですが。用...
3枚組CD「ザ・フェイム・スタジオ・ストーリー」からMOTOWN成分を抽出
- 2014/02/09
- 16:21
前記事の続きみたいな内容ですが、先週、↑このCDを図書館で借りて一通り聴いてみました。自分、こっち方面はよく知らないのですが、ただデュアン・オールマンのセッションマンとしての演奏を一通り知っておきたいと考えて。結果からいうと、CD3枚に1961~1973の録音が年代順に並べてある、その中でデュアン・オールマンに関係あるのは3枚目(1968~)の中の数曲だけだった。Fame全体に対する印象としては、積極的評価;黒人→白人と...
ベーシスト、トミー・コグビル氏は指にワセリンを塗って弾くという
- 2014/02/09
- 02:12
当ブログのわりと定番ネタ、CDの解説文を一部引用して云々するコーナーです。今回のお題はこれに収録されてるWilson Pickett "Land Of 1000 Dances"の録音時のエピソード。ライターはAlec Palao、思い出を語るのはRick Hall、登場人物はWilson Pickettの他に、Chips MormanJunior Lowe(1人目のベーシスト)無名氏(2人目のベーシスト)Tommy Cogbill(3人目のベーシスト)Hall said,"It was piano demo done in New Orleans and I...
Victor Youngの"Delilah"
- 2014/02/07
- 23:41
とっても今更なんですが今週、図書館で"introducing Kenny Burrell"を借りたのです。今まで聴いたことがなかった。その中の一曲。この曲、ずっと以前にどこかで聴いたことあるし、けっこう良い曲だなと思って調べてみたら、↑このバージョンで知ってたのでした。しかし私がこの"Clifford Brown & Max Roach"というアルバムを所有してたのは20代の頃ですよ。アナログ盤だったです。とくに好きな方のアルバムなわけでもなかったからす...
Trying To Live My Life Without Cigarettes
- 2014/01/19
- 17:30
私、先月の末頃から禁煙にチャレンジしております。数年前から時々「禁煙週間」を設ける的な事はしてましたけど、今回はけっこう本格的な禁煙チャレンジ。とは言え、まだぜんぜん止めれてはおらず、人から貰いタバコしたり時々は買いもしてるのだけど、しかしどんなに多くとも一日に5本以上は吸わず、そんな状態が一ヶ月続いたのは自分的には初めての事で、まあかなり減らせてる方なのではあります。そもそもは先月に録音した吾妻...
今週の拾い物;Syl Johnson
- 2013/11/05
- 00:13
なんでか”ジョンソン”と”ジョンスン”の二通りのカタカナ表記が存するSyl Johnsonさん。まあ、表記が定まらない程度のマイナー人だって事なんでしょうけど。このところHIレコードをちょこちょこ聴き集めてます。アル・グリーンはそこそこ売れた。あとはアン・ピーブルズその他。70年代前半に60sソウルの雰囲気を引きずったまま細々と商売してた亜流レーベルと、まあ興味ない人にとってはせいぜいその程度の位置づけの会社。私も基本...